〜法人設立の背景〜

 

 公認心理師という「こころ」にたずさわる対人援助職の国家資格化は、じわりじわりと対人援助の実践風景を変えていくことでしょう。このことが、「こころ」を大切にしていきたいと願う多くの者が望む方向へと進むよう、微力ながらも自らが持つ経験と力を注ぎ、貢献していきたい。そう願う者たちが集まって、「一般社団法人こころのみらい」を2021年3月に設立いたしました。

 

 そう。法人としての「こころのみらい」は産声をあげたばかりです。ですが、運営側にも講師にも、これまでの公認心理師現任者講習および試験対策講座の実績あるベテラン講師陣とスタッフが勢揃いしています。講座の企画運営の中核を担うのは、第1回の現任者講習から企画運営にたずさわり、受講者利益を最優先することで過去の受講者から常に喜ばれてきた定評のあるスタッフたちです。

 

 「こころ」の「みらい」に資することを本当に考えていった結果として、新設法人で、志を共にする者と、資格取得後のフォローまでをも含めた講座の開催をすることになりました。「こころ」にたずさわる者自らが、「こころ」を育んでいける場を提供していきたい。「こころ」豊かな「こころのプロフェッショナル」の連なりを創っていきたい。そう願ったことが私たちの法人設立の背景にあります。ですから、今年度も、受講者利益を最優先にして講座を開催していきます。と同時に、受講生のフォローとして、本年度から、受講生たちが横につらなり支え合えるコミュニティづくりにも取り組んでいきます。 

 

 

〜「こころのみらい」の理念 〜 

 

ひとりひとりが、そして、他者と共に、「こころ」を大切に生きていける社会を目指して

 

 「こころのみらい」は、個人の「こころ」を大切にすることはもちろんですが、そこにとどまらずに、わたしたちの社会、ひいては社会が拠って立つ自然や生命〈いのち〉の大いなる循環までをも視野にいれた、壮大な理念と目的を掲げて出航しました。なぜなら、現在の、孤立化した「こころ」がさまよい、不安や疑心暗鬼が渦巻き、混沌とした社会を前に、求められていることは、「個人」への働きかけと同じくらい重要なこととして、社会全体が「共にある」ことに重きを置くような価値の転換であると思ったからです。

 

 私たちが目指すのは、一人一人が個別に立派な自己実現を目指す社会というよりはむしろ、人々が互いに支え合い、補い合って、互いの人生が充足されていくことに貢献し合える社会です。仲良く、しかし時にぶつかり、だからこそいきいきと、健やかに、暮らせる社会です。このために、競争や排除、分断の原理から脱却し、循環や継承、「共に生きる」原理へと転換していくことへと向かいたいと思います。

 

「ひとりひとりが、そして、他者と共に、「こころ」を大切に生きていける社会を目指して」

 

「一般社団法人こころのみらい」は、この時代の大きな転換期に、「こころ」のプロフェッショナル向けの以下の事業の実施を通して、社会づくりにも取り組んでいきます。

 

 

〜実施していく事業(定款に記載している事業)〜

多様な専門的背景を持つ対人援助の実践者の連携、対話、交流を促し、人と社会のよりよい未来を紡ぎ出すことを目指します。

 

 

(1)対人援助職の育成を目的としたオンライン・コミュニティの運営

(2)対人援助職を中心とした実践コミュニティの運営 

(3)人と人、組織と組織が出会い、つながるポータルサイトの運営

(4)多職種連携(IPE・IPW)の実践と教育の支援

(5)心理ケアやピアサポートの場と、それらの提供

(6)非医療的な地域モデルとしてのヒアリングヴォイシズやオープンダイアローグの実践

(7)身体的・心理的・社会的を含めた全人的な健康(health)と福祉(well-being)を探究する活動

(8)多様な人々が協働し価値創造する場の運営

(9)上記各号に関する講習会、研修会、講話会、ワークショップの開催

(10)上記各号に関する研究活動および研究発表会の開催

(11)ひろく一般に開かれ、且つ安全に閉じられた対話と生成の場の提供

(12)前各号に掲げる事業に附帯又は関連する一切の事業


ご挨拶

「歩く」という行為は、バランスを崩すことで成立します。一方の足に重心をのせ、もう一方の足を宙に浮かせるわけですが、その時、身体は一瞬、かなり不安定になります。「動き」って、こんなふうに、バランスが崩れたところにうまれるんですよね。

 在野の研究者として、心理療法とソーシャルワークの実践家として、人は、いつ、どんな条件下で動きだすのか、滞った状態に風穴が開くのはどんな時か、そんなことに関心を持ちながら活動をしてきました。そして、バランスが崩れた状態をみると、おのずと、そこにこれから生まれるかもしれない「動き」の可能性・・・身体がバランスを崩すことで次なる一歩を踏み出すように・・・に目を凝らし耳を澄ませるようになりました。

 「こころのみらい」もアンバランスです。生まれたばかりの小型の船に似合わない、大きな夢を乗せています。でも、この先行き不透明で誰もが新たなやり方を模索していく今の時代には実はぴったりと調和しているようにも思います。夢はでっかく、実務は地道に着実に。これまでマイナスに捉えられがちだったことがらの中に、おのずと可能性を見いだしていけるような、そんな社会の雰囲気を、「こころのみらい」を通してやっていけたらと思っています。

代表理事 谷口 起代

 

私たちは「いのち」ある生き物です。最近、私は、生物のことを「なまもの」と呼ぶようにしています。いのちある「なまもの」は、環境からの影響を受け、変化成長していくとてもデリケートな存在です。そんな生き物を物扱いしてしまうような雰囲気には悲しみを覚えます。一介の心理師として臨床現場におりますが、少しでもお互いの「いのち」に敏感になってもらえる雰囲気作りをしていきたいと思っています。 

理事 森崎 雅好

 

現在、平日は医療相談員、週末は個人サロンでセラピストをしています。この二足のワラジを履いて早や15年、食だけではない全ての環境が血となり肉となり骨となって自分を作っているということ、「元氣はココロもカラダも整っている結果」なんですね。

氣づけば、薬だけに頼らず安全で安心な持続可能なライフスタイルを心がけるようになり、そんな想いを日々の中でさり気なく発信しております。誰もが快適に生きられる世界の構築に「こころのみらい」もお手伝いできたらと願っております。

理事 松崎 ゆみ

 

コロナの前、私はいろいろな意味で世の中に絶望しかけていました。でも、あれよあれよという間にコロナちゃんが革命でも起こしてくれたかのように、もちろん大変なこともありますが、私たちはなんのために生まれてきたのか、何がほんとうに大事なのかを考え、原点に戻ってやり直す機会を与えてくださったように思います。雀もチュンチュン戻って来てくれました。

会社を辞める時、「いまの社会にNOを突きつけるのはカンタンだけど、じゃあどうするの?」と問われると、「それを示すのは至難の業だな」と正直、気が遠くなりそうでした。しかし、ここにきて社会がいよいよ保たなくなって、隙間が空いてきた分、はたらきかける余地も生まれたように思います。

沖縄の祖先崇拝に息づく縄文文化と、バート・へリンガーのワークを通して立ち現れる"いのちの営み"、「我々は能率で人を区別しない」と言い切る共同連、『アミ 小さな宇宙人』に描かれる世界...。私たちが長らく置き去りにしてきたものを拾い集め、何も排除せず、全てを含んで、ただただ幸せな世の中をつくっていきたいと思います。

スタッフ 猪股 秀美