〜法人設立の背景〜
公認心理師という「こころ」にたずさわる対人援助職の国家資格化は、じわりじわりと対人援助の実践風景を変えていくことでしょう。このことが、「こころ」を大切にしていきたいと願う多くの者が望む方向へと進むよう、微力ながらも自らが持つ経験と力を注ぎ、貢献していきたい。そう願う者たちが集まって、「一般社団法人こころのみらい」を2021年3月に設立いたしました。「こころ」にたずさわる者自らが、「こころ」を育んでいける場を提供していきたい。「こころ」豊かな「こころのプロフェッショナル」の連なりを創っていきたい。そんな願いを持って活動していきます。
「歩く」という行為は、バランスを崩すことで成立します。一方の足に重心をのせ、もう一方の足を宙に浮かせるわけですが、その時、身体は一瞬、かなり不安定になります。「動き」って、こんなふうに、バランスが崩れたところにうまれるんですよね。
在野の研究者として、心理療法とソーシャルワークの実践家として、人は、いつ、どんな条件下で動きだすのか、滞った状態に風穴が開くのはどんな時か、そんなことに関心を持ちながら活動をしてきました。そして、バランスが崩れた状態をみると、おのずと、そこにこれから生まれるかもしれない「動き」の可能性・・・身体がバランスを崩すことで次なる一歩を踏み出すように・・・に目を凝らし耳を澄ませるようになりました。
「こころのみらい」もアンバランスです。生まれたばかりの小型の船に似合わない、大きな夢を乗せています。でも、この先行き不透明で誰もが新たなやり方を模索していく今の時代には実はぴったりと調和しているようにも思います。夢はでっかく、実務は地道に着実に。これまでマイナスに捉えられがちだったことがらの中に、おのずと可能性を見いだしていけるような、そんな社会の雰囲気を、「こころのみらい」を通してやっていけたらと思っています。
代表理事 谷口 起代
私たちは「いのち」ある生き物です。最近、私は、生物のことを「なまもの」と呼ぶようにしています。いのちある「なまもの」は、環境からの影響を受け、変化成長していくとてもデリケートな存在です。そんな生き物を物扱いしてしまうような雰囲気には悲しみを覚えます。一介の心理師として臨床現場におりますが、少しでもお互いの「いのち」に敏感になってもらえる雰囲気作りをしていきたいと思っています。
理事 森崎 雅好